●アルゴリズムのご質問が増えてきた

 現行の午後試験は、プログラム言語の問題は1問です。しかも、表計算を選択することができます。つまり、プログラム言語をまったく使ったことがなくても、受験し合格することができるようになりました。

 旧第2種情報処理技術者試験ではプログラム言語の問題が3問、旧基本情報技術者試験では2問ありました。
 プログラム言語を攻略しなければ合格は望めず、午後の試験対策をする頃には、プログラム言語の学習も、ある程度は進んでいるのが普通でした。

 このため、本に掲載されている流れ図や疑似言語プログラムが分からなければ、ご自分でプログラムを作って確かめる方が多く、アルゴリズムの内容に関するご質問はまれでした。

 新しい試験制度になってから、基本的な流れ図やアルゴリズムの内容に関するご質問が増えています。これは、表計算を選択できるようになったことや、ITパスポート試験に合格された技術系でない社会人の方が受験されるようになったからだろうと推測しています。

●一生懸命な人は応援したくなるよね
 部活動などで、上手ではないのだけど、いつも真面目に練習に来て、コツコツやっている後輩を、応援したくなったことはありませんか?

 実は、読者の方からいただくご質問にも、質問サイトなら叱られるような安易なものがけっこうあります。
 ところが、アルゴリズムに関するご質問は、巻末の質問手順にのっとり、ご質問内容もしっかりと書かれたものが多いのが印象的でした。特に、自分でどこまで考えて、どこから分からないのかが整理され、しっかり書かれていました。

 私に限らず、先生と呼ばれる人は、自分の講義(本)を真面目に受けてくれる学生、できなくても一生懸命で、自分でしっかり考えてから質問に来る学生が、とっても可愛いのです。
 自分の休み時間がつぶれようが、放課後の予定が狂おうが、なんとか分かるようにしてあげたい、と思うものなのです。

ふっくゼミができた


 なんとかならないかな?
 ネットを利用できないかな?
 そんな思いをもっていましたが、多忙でなかなか実現できませんでした。幸いなことに、私に少し時間ができたことで、この「ふっくゼミ」が生れました。

 2011年5月から準備を始め、2012年版の「完全合格教本」の読者に、アルゴリズムの解説をはじめました。擬似言語問題の過去問題の解説も行いました。
 その後、午前の過去問題の解説が欲しいというご意見が多く、午前の問題全80問の解説を始めました。
 2013年版から、「集中ゼミ」の読者にも動画を公開してほしいという要請があり、別館サイトを作り、公開することになりました。
 しかし、2つのサイトを運用することは手間もかかり、また異なる出版社の異なる本の読者に同じ動画を提供することも、いろいろと難しい面や事情が生じました。

ふっくゼミの再スタート


 午前問題の全問解説を始めてから、いろいろなご意見をいただくようになりました。動画の解説で使っているPointを、テキストで欲しいというご要望もいただきました。

 午前の問題は、過去問題の演習をすれば、誰でも6割の合格ラインを越えます

 先に動画を見て学習効率が上がったというようなご意見をいただくに至り、いろいろ思うことがありました。
 初心者が、いきなり過去問題に挑戦するのは効率が悪いはずです。しかし、初心者にはテキストも難しいため、先に動画を見たほうが分かりやすいこともあるようです。

 従来のように網羅性を重視したテキストではなく、必要最小限の基本的な事項に絞った薄いテキスト、「まず、これだけ学習してから過去問題へ」というテキストを作りたいと思うようになりました。枝葉の知識は、過去問題で覚えればいいのです。

 薄いテキストを素早く仕上げて、過去問題を演習する
 というのが、最も効率の良い午前の問題の攻略法(*1)です。

 幸い、コンパクトな「うかる 基本情報技術者(*2)」(日本経済新聞出版社)を執筆する機会を与えていただき、このサイトも「うかる シリーズ」の読者向けとして、再スタートすることにいたしました。

 少し慣れたとはいえ、動画も、Webサイトも、広く公開するものを作るのは、このサイトが初めてでした。正直なところ、当初の想定以上に、何かと手間がかかります。
 まだまだ、ヨチヨチ歩きですので、稚拙な面もあり、ご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。
 この「ふっくゼミ」を作ろうと思った初心を忘れず、教室で講義する場合と同等の準備をきちんとして、マイクに向かうつもりです。

 よろしくお願いいたします。


*1 薄い参考書では網羅性が低いですが、動画で全問題の解説を行っています。また、動画では、テキストの解説よりも詳しく、午後の試験にもつながるように解説をしています。
*2 人気のある「集中ゼミ」の後継シリーズだと分かるように、表紙にだけ「集中ゼミ」という言葉をいれていただいていますが、違うシリーズです。特に午前は、新しく書いたものです。



(2011/11/5)
(2012/12/10)
(2013/11/21)後半を2014年用に修正